2015.04.27 月曜日

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM) Product Portfolio Management

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 最近、経営にかかわる相談が増えてきている。
 最近の相談の特徴はなんと言っても、リーマンショック、震災、円高、グローバリゼーションを特徴とした急激な情勢の変化だ。
 
 しかし、問題はそれだけではない。それにある種の企業としての「弱さ」が加わっている。会計管理、銀行対策を怠っていた、事業の多角化、事業内容の転換など時代の動きに応じた経営改善を怠っていたなど弱さが露呈する形になっている。
 
 どんな経営危機でも結局は利益を拡大しないことには解決はつかない。
 私の相談もそうした経営危機に関わる改善点を協議することも増えてきたのである。そこで、改めて経営学の教科書から勉強する必要に迫られている。
 
 企業が自ら適応する環境を選択、「ドメイン domain」の選択を「経営戦略の決定」という。などなど、基礎的な勉強から始めている。その中でプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)という言葉が気になっている。その意味は下記を参照して欲しい。
 
 起業であれ、多角化であれ新規に事業を展開する時に事業そのもののライフサイクルを意識することは必要なことだ。
 
 私の依頼者はリーマンショック前、事業戦略を大きく変化させて新規事業に参入した。それは、それまで安定して利益を得てきた旧事業「金のなる木」からの利益を利用して、新規事業に投資したのである。
 
 新規事業は急激に成長し、わずか2年ほどで数億の売上げを達成し始めた。まさにPPMで言う「花形」となりつつあったのである。そんな時に、リーマンショックは起こった。これから経営を安定化させ、「金のなる木」に変わろうとした時点で急激な売上げの低下に見舞われたのである。
 
 新規事業は「花形」となりつつあったが、安定期に入るためにはさらに投資が必要となった。このまま売上げが落ち込んだ状態で新規の投資を続けることはできない。投資規模を小さくしても新規事業を維持するか、さらに断念するかが重要な課題となった。社長の決断は新規事業の維持だ。
 
 事業は次の通り改善を加えている。
 「花形」事業の大幅なリストラを行い経費を小さくすることにより投資額を小さくした。さらに会計を整理して新事業についての会計を正確にした。銀行対応を徹底して、月額の支払いを小さくした。
 
 残念なことに、徹底したリストラが行われても新規事業の売上げは限界利益を達成できないでいる。現状では、やはり、「金のなる木」の利益を新規事業に投資している状況には変わりはないのだ。このような状況下で新規事業をこれから成長を見込む「問題児」として位置付けるか、利益を見込めない「負け犬」として位置付けるかはさらに検討が必要になるだろう。
 
 
※ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)
 PPMは、元来、1970年代にボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の開発した製品および事業のポートフォリオのフレームワークを指します。横軸に経験曲線効果に基づく相対的市場シェア、縦軸に製品ライフサイクル理論に基づく市場成長性を数値で表現する4象限のマトリクスにより、製品・事業の位置づけと組み合わせを一覧することができます。これにより、企業が展開する複数の製品・事業の戦略の方向性を検討する上で、(1)問題児(育成すべき段階)、(2)花形(現在の取り組みを維持・継続する段階)、(3)金のなる木(投資を抑えて収益を回収・収穫する段階)、(4)負け犬(撤退する段階)を見極めます。
 金のなる木で得た利益を市場成長率の高い問題児に投入し、花形に育成するのが基本戦略ですが、市場成長性の見込み違いによる無駄な資源投入や競争激化による負け犬への転落の恐れがあります。