2015.06.23 火曜日

豊橋発:不採算部門に対する評価

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 不採算部門をどのように評価するかは難しい問題だ。このまま投資を続けるか、いつまで続けるか、それとも撤退するか、経営者としては悩ましいところだ。
 
 教科書的には業績が悪化するにはいくつかの要因に分析される。第1はマクロ経済の動態、第2は人口動態、第3は消費者の趣向・生活パターン・選好の変化・法規制の変化といった消費者側の動態、第4は新しい技術の登場、第5に製品事態のライフサイクルがある。
 
 私の依頼者の業績の悪化は、リーマンショック以降の金融不況だ。この不況は消費者の嗜好を大きく変化させた。人々の消費マインドは低下し、必要な物を安く必要なだけ購入する傾向になった。商品自体の特徴もあったかもしれない。いずれにしろ、こうした教科書的な分析はもう一度見直す必要がある。
 
 このような分析を通じて、不採算部門の不採算が一時的なものであるか、改善を図れば浮上するものであるか、そもそも浮上しないで切り捨てられるべきものなのかが推測できる。つまり、消費マインドが低下したというのは一般論だが、日本の特定の層には通じない議論かもしれない。中国やインド、特定の国ではむしろ売れるかもしれない。多くの不況業種が倒産した結果、いつのまにか一人勝ちになっているかもしれない。
 
 そもそもがこの部門はどのように利益を上げる計画だったのだろうか。
 特定の部門が利益を上げるためには、第1に新しい事業分野としての魅力、第2にその企業が持っている経営資源、第3に他社との競争優位性があげられている。
 
 投下した資本はどのように利益を上げていくのか、投下資本利益率(ROI/return on investment)はどのようになっているか。経営資源のシナジー効果は期待できるのか、PPM(Product Portfolio Manageent)はどうか。このような基本戦略との関係で、何が原因して成果を生まないのか、成果を生む可能性は今後あるのかが問われなければならない。
 
 つまり、当該部門の経営戦略をいちから見直し、立て直すか、あきらめるか明確な判断を作っておく必要がある。
 
 例によって私が敬愛するドラッカー先生のお言葉はこうなっている。
 
 ドラッカーは経営資源の生産性を常に判断しなければならないとしている。企業における経営資源の差は必ずしも大きなものではない。むしろ「どの分野においても、企業間の差を生み出すのは、あらゆるマネジメント階層の質である。この決定的な要因を測るための最も重要な尺度は生産性、つまり経営資源をどれだけ活用し、どれだけ収益をあげたかである。」
 
 生産性の尺度は複数を持つ必要があり、一つの生産性の向上が他の生産性を低下させることのないような配慮が必要となる。ただ、どのように生産性の尺度を持つか、全体の「貢献価値」をどこに見いだすかは難しい問題だろう。
 
「生産性は難しいがきわめて重要な概念である。生産性の目標がなければ、企業は進むべき方向を持たないのと同じである。生産性尺度がなければ、コントロールを利かせようがないのだ。」