2015.06.25 木曜日

豊橋発:グローバリゼーションの中での「隣の企業」

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 運輸技術や情報技術の驚異的進歩が、国境という壁を徐々に取り払っているとは誰もが感じていることだろう。中には国境の解消こそ理想世界だと恐ろしいことを言う人もいる。国境は私たちの生活を守る最後の壁なのであるからおいそれを外すことはできない。
 
 私の知り合いの会社は海外取引なくして経営は成り立たない。製造を香港の会社に頼んでいるのだが、図面(型紙?)をメールで送ると翌日には試作品が届く。試作品を試して修正し、OKを出すとすぐに生産が始まる。香港の企業はまるで隣の企業のような気軽さでつきあっている。
 
 運送技術の発達により運送のコストやスピードが改善されると何も日本にとどまる必然性は無くなる。企業が地域に集積することのメリットは減少してしまう。むしろ、企業が集積すると賃金が上昇したり、地価も上昇する傾向にあるから、かえって不利益が目立ってしまう。企業は安い労働力、安い地価を求めて世界を動き回っている。
 
 グローバリゼーションにあっては、「隣の企業」意味も異なったものとなっている。そんな中で、今日「隣の企業」というのはどんな企業であるのか、それは自社にとってどんな役割を果たすかは再検討を要することになるだろう。
 
 隣同士に企業が集積すれば、共同して受注することができる。2つの企業があってできる仕事は1つの企業では受注することはできない。しかし、運送コストの低下や運送時間の短縮は一カ所に集積する必然性を失いつつある。大田区や東大阪市の集積は徐々に意味を失っているようにも見える。
 
 隣の企業の役割も単に共同して受注するだけでは役立たない。むしろ、共同して生み出す力が考えられるべきということになる。企業相互の関係が知識や情報の集積に役立つだろう。情報の集積が企業リスクを軽減させるかもしれない。相互の関係が形成する気風、イノベーションに立ち向かう気風、知的発見をする気風のようなものが創造性を発揮することだろう。
 
 このようにグローバリゼーション時代の企業相互の関係は、かつてのように単純に地域集積だけでは役立たない。相互の関係が企業の未来に向かう決断と行動を生み出すものとならなければならないだろう。その視点から企業相互の関係、企業の地域集積性、さらには国境を越えた企業の相互関係が検討されなければならない。