2015.08.26 水曜日

豊橋発:OME契約と製造物責任

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 OME(Original Equipment Manufacture)契約というのは,自社ブランドの製品を他会社に製造を委ねる場合を言う。製品開発に対する新たなコストを削減する手法でよく行われている。
 
 例えば,日産の「モコ」はスズキが製造している。日産ブランドで売り出している以上は日産はモコの製造者として責任を負うことになる。「モコ」のような大企業同士の取引の場合は製造物責任のあり方についても契約書で明確に定めている。しかし,中小企業にあってはあいまいことが多い。
 
 例えば,こんな事例はどうだろう。
 
 A社は痩身用サウナ器具を販売していた。A社はB社に製造を委ねていた。この痩身用器具はフィットネスサロンなど事業者に販売していたが,個人に対しても販売することがあった。この痩身用器具を購入したユーザーが使い方を誤って長時間利用したために,両足に低温やけどを負い,やけど痕が残ったため,損害賠償請求した。
 
 この事件では,裁判所は商品に欠陥はないが,過剰な利用によって低温やけどが起こることに対する警告表示が不十分であり,「指示・警告において通常有すべき安全性を欠くものとして製造物責任法上の欠陥があると認められる」と判断した(大阪地裁H22.11.17,判時2156号)。
 
 問題は誰が責任を負うかということである。
 製造物責任であることから製造した者,B社は責任を負う(製造物責任法2条3項1号)。
 A社は通常は流通させただけだから製造物責任を負わない。しかし,本件では器械に「AVANT」(アバン)の商標が表示されていた。電化製品については製造業者の商標が表示されることが圧倒的に多いことから,これは「製造業者であると誤認させるような表示」であるとし,製造物責任法2条3項2号により責任を負うとした。
 
 つまり,製造物責任法では自ら製造業者であると商標などを表示した者,もしくはそれと「製造業者と誤認させるような・・・氏名等(商標を含んでいる)」を表示した者も責任を負うことになっている。
 
 最近は,中小企業製造業者も直接販売に乗り出すことが増えている。販売のノウハウがない場合はノウハウある中小企業者と連携を図っている。そのような場合について製造物責任のあり方についてきちんとした取り決めをしておくことが必要だ。