2015.09.04 金曜日

豊橋発:社員の横領

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 信頼できる社員に裏切られると社長としては非常にショックを受ける。
 私の経験した例では,売上金を使い込んだという例がある。使い込みについて会社側でも社員側でも代理人を引き受けたことがある。
 
 社員側の事件は,もっぱら刑事事件であったりするのだが,非常に過酷だ。ある事件は支店を任されていて顧客からの売掛金を着服した例がある。この社員はばれないように新規顧客からの入金を使い込み金にまわしてごまかしていたが,使い込みの量が増えるに従って,もう回すことができなくなってばれてしまった。
 
 社長はもちろん激怒した。金銭の問題もあったが,信頼していた社員に裏切られたことの失望感や屈辱感もあったのだろう。この社員は徹底的な対応をされた。まず,民事兼を提訴された。民事事件では敗訴し,500万円の負債を負うことになった。
 
 横領するような人間だから支払うことはできない。支払いを受けないと見るや,今度は刑事告訴された。約500万円程度だが,実際にはもっとあろうかと考えられた。私の依頼者は逮捕され,刑事裁判を受けた上,実刑となった。横領の罪はかなり重い。
 
 さらに刑期を終えたのであるが,執拗な請求は続いていた。ここまでくると,社長もどうかしているし,性格がおかしいのではないかいう気がする。不法行為による債権は破産しても請求される。
 
 社員が横領事件を犯した場合,叱責するにしても追い詰めることをしてはいけない。まず,事実関係を聞き出すことが重要だ。ていねいに1つ1つ,順番に聞いていく。入金されたお金はどこに出て行ったのか。きちっと説明させる。その上で,問題点を解明して謝罪させることが大切だ。このときに,総額でいくら横領したか認める文書に署名させるか,自分で書かせるかするとよい。
 
 さらに,追い詰めてはいけない。刑事告訴で有罪をとっても気持ちは晴れるかもしれないが,経済的には得るものは少ない。むしろ,自発的に償いをさせていくことの方が有効だ。また,残された社員にとっても,こうした粘り強い姿勢は会社に対する信頼につながる。