2015.09.07 月曜日

豊橋発:経営課題の設定 創造的であること

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 長期化する不況下にあって,多くの経営者が経営改善に向けて懸命な努力を行っている。経営改善にあっては自社の事業は何かが問われることになる。この自社の事業は何かという問いに対する回答は常に本質的な問題にせまる努力が必要となる。
 
 例えば,ドラッカーはゼロックスの例をあげる。コピー機を販売する訳だが,同時に一枚当たりのコピー手数料で利益を上げている。自社の事業内容は「コピーする」というのが内容となる。スターバックスが販売するのはコーヒー及びコンフォタブルな空間の提供が事業となる。
 
 名古屋の企業でトゥートカンパニーというユニークな会社がある。この会社は製造業の手作業の外注を請け負う会社だ。高度なラインで製造していても手作業に相当する業務が必要になる。例えば,検品や梱包などがそうだ。単純作業だがどうしても手作業になる。多くの場合,パート労働者が就労している。このパート労働者は定着がよい訳でもなく,ライフワークとしての熱意も少ないため熟練させるのはけっこう難しい。パート労働者全体を統制して作業効率を高めるマネジメントには独特のノウハウが必要となる。
 
 この会社を利用することで顧客は利益をあげる。それは,パート労働者の教育,管理による手間が省ける。手作業ラインがいらなくなるため,事業所空間をより有効に活用できる。雇用調整に役立つ。さらに,発送,運送の作業も請け負うことでその分省力化ができる。
 
 この場合,自社の事業は何かと問われれば,生産というサプライチェーンの「手作業工程」のマネジメントそのものが自社の事業ということになる。まず,マネジメントそのものを自社の事業とした場合,さらにマネジメント質を高めていくことになるだろう。たとえば,ジャストインタイムといった同期化の課題や,仕掛かり在庫のあり方も問われることになるだろう。
 
 つまり,「自社の事業は何か」とうい問いに対する回答には事業の実態を直視する深い洞察力が必要なのだ。また,常に柔軟な見方でアイディアを作り上げていく作業も必要となる。それは,上から眺めてばかりいて昨日まで円だと思っていたものが,横から見ても円で,実は球だったんだと気づく作業に似ている。経営者には常に柔軟な頭の回転が求められる。頭を柔軟にするための思考のプロセスはこんな風ではないだろうか。
 
① 自社の事業を直視する。これは自社の顧客は誰か,顧客は何を求めてあなたと取引するのかを考える。
② 顧客の身になって考え,顧客があなたと契約するに至るプロセス,動機を順を追って細かく分析する。
③ 小さく分けられた「動機」について顧客が対価を払うかを考える。
④ あなたの顧客が対価を払っている「動機」に対して別のタイプ,別のセグメントに所属する人たち(潜在顧客)が同様に対価を払うだろうかと考える。
 
 これらの作業は一人だけではだめだ。たえず議論の中で生まれる。その議論も自由闊達な傾向を持つ必要がある。それは事業者だけができる闊達さだ。事業者集団,交流,勉強会などを通じてアイディアを獲得する。
 
 また,才能ある人と接することで,才能のお裾分けをもらえることになる。これはだじゃれのうまい人のそばにいると,いつのまにかだじゃれがうまくなるようなものだ。