2015.09.14 月曜日

豊橋発:「見える組織」と「見えない組織」

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 企業規模が大きくなると,徐々に組織化されていく。社長がいて,研究開発,製造,技術,販売と職能別の部門に分かれ,組織を成り立たせていく。会社の機能が分業化され,各部門は専門度を高めていくことになる。
 
 さらに企業が大きくなると事業部をつくる。職能別組織の場合,全体を統合するのはトップマネジメントである社長ということになるが,社長のところでに何でもかでも情報が集まり,社長はそれを処理しなければならない。もっと,下の方で決断できないかと考え出されたのが事業部制の組織だ。扱う製品やサービスごとに事業部が分かれ,それぞれ独立して事業を実施する。開発,製造,販売も事業部単位で行うことになる。
 
 しかし,事業部が大きくなるとさらに事業部同士の相互交流で生み出されるイノベーションが欲しくなったり,同一資源なのに事業部ごとに存在するという無駄が生じることになる。官僚的な弊害も生まれるだろう。そうした弊害を防ぐために事業部を貫通するような組織,各事業部からスタッフを排出させて,社内サークルのような高い意識を持つ者の集団をつくるというやり方もある。
 
 こうした,組織の設計図は私に言われれば「見える組織」だ。結局何のために組織をいじるかと言えば,所属する人間たちの能力を最大限発揮させるためだ。その最大限発揮する状態というのは,構成員一人一人が組織に対して責任を持ち,責任を全うするために事由に,意欲的に活動できるような社内文化を形成する必要がある。これは,人は幸福ややりがいを求めて能力を発揮するという信念に基づいた組織論だ。
 
 3M Company(スリーエム、NYSE:MMM)は、アメリカ合衆国ミネソタ州セントポール郊外のメープルウッドに本拠地を置く、世界的化学・電気素材メーカーである。日本では住友3Mが展開されている。この会社の特徴は常に新製品を生み出すことにある。新製品比率を2015年には40%をめざすとしている。
 
 この会社の特徴から,社内では常に社員全員に対して,創造的であることが求められている。そのため,会社ではイノベーションのために様々なプロセスを用意している。社員誰もでも,①新しい消費者ニーズに気づきアイデアを出す。②その社員は自主的に研究を始め,さらにインフォーマルな組織が形成される。③これが有益だと認められれば,事業部プロジェクトに昇格する。④さらに事業が伸びるようであれば,独立させていく。
 
 社員の創造的な傾向を作り上げていくことは,単純な組織図からは出てこない。社員のイノベーションはどこで引き出されるかが,社員相互,社員と組織との関係の中で常に問われ,文化として成長させていく。これも「組織」といえないこともない。3Mでは,図化された組織は組織の半分であり,もう半分はこうしたイノベーションを作り出す社員相互の関係,社員会社の関係を言うのだという。
 
 この組織の見えない部分,言ってみれば「見えない組織」の構築こそがトップマネジメントの役割ということだろう。自らの会社の目的は何か,自らの会社を構成する社員は誰か,社員が最大限目的に沿い,成果を生み出す組織は何かといった問いが繰り返されることになるだろう。