2015.10.01 木曜日

豊橋発:中国土地収用

国土をいかに設計するかは国の仕事だ。日本では国土法という法律があって我が国の国国土利用計画という土開発の基本政策を定めている。

 
 中国は計画経済を旨とする社会主義経済の建前なので,本来国土計画もずいぶんやかましいはずなのだが,なにぶんにも国土が広大である上,今や13億人を超える人口を要している大国であるため国土計画も容易ではない。
 
 中国では経済社会発展計画、国土計画(土地利用計画)、都市農村計画の3つの計画体系が存在している。中国では全国、省級、地級、県級、郷級の5つのレベルの地方行政単位があって各計画は全国から地方に向かって徐々に具体的に実施するということになっている。ただし,各計画は単純に5段階になるという訳ではないが,中央から地方に計画が進められることには変わりない。
 
 2006年11月3日付『産経新聞』の記事だが,「上海郊外の有利な立地を売り物に外資企業を中心に誘致した上海嘉定工業区で、入居したばかりの上海ハウス食品など日本企業10社が都市計画を理由に立ち退きを非公式に通告されていることがわかった。」
 
 「立ち退き通告文書は「上海市嘉定新城(街)建設管理委員会弁公室」の第10号文書(10月17日付)で、「都市計画の実現のため第1期分の立ち退き企業は次の通り」として24社が記され、その中にハウス食品、野尻光学、神鋼圧縮機製造-など日本企業10社が含まれていた。」
 
 このような都市計画などの国土計画のために突然立ち退きを迫られることは中国ではまれという訳ではない。中国土地管理法は公共の用に供する必要がある場合や,都市計画の実施に伴って必要がある場合には土地を収用できるとする(法58条1項)。もちろん,ただでという訳ではなく,代替土地の提供や金銭補償といった補償が行われることになる(法58条2項)。
 
 問題はこの補償がどの範囲で行われ,実際に補償を実現するためにはどのような手続きが必要となるかという点になる。
 
  JETROでは中国土地管理法を紹介している。
 
 国有土地上家屋収用及び補償条例に従えば,収用対象家屋価値の補償として,①家屋収用により発生した立退き、臨時配置の補償。②家屋収用により発生した生産、営業停止に伴なう損害の補償。③補助及び奨励。などが補償されるという(17条,19条)。
 収用対象者と行政側は補償協定を締結した上で,補償が支払うのであるが,それが締結されない場合には行政不服審査や行政訴訟を行えることになっている。

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