2015.10.15 木曜日

豊橋発:土壌汚染問題

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 土壌汚染に関する法規制は土壌汚染対策法というものがある。
 環境法の分野では土壌汚染に関する予防の問題と除去の問題とを分けて考えている。土壌の汚染を事前に防止する法律は水質汚濁防止法だったり、廃掃法だったり、そのほかの開発規制法規だったりする。
 
 土壌汚染対策法は土壌が汚染されていることを前提にその対策を記したものだ。
 その基本的思想は封じ込めだ。取り除いた化学物質含有の土砂はまたどこかに捨てて埋めることになる。そうなれば結局同じ事ではないか。また、土壌が汚染されている場合であっても、除去すればその時にまた攪乱、拡散が起こってかえって汚染を拡大してしまう。それだったら、原則として除去せず封じ込めるのがよいというのがこの土対法の考え方だ。
 
 封じ込めが原則であるため、特に何も問題がなければそのまま放置するという考え方で法律ができあがっている。例えば、化学薬品を使用する施設については有害物質使用特定施設と呼ばれているが、日常的には土壌汚染調査の義務が課せられていない。調査が必要なのは3000㎡以上の土地について何らかの造成工事(区画形質の変更行為)があるときに必要とされている。つまり、何も問題がなければそのまま放置するという考えだ。
 
 この法律による対策も、一定の措置区域などが指定された上で、基準を上回る場合であっても人の健康被害が生じるおそれがない限りそのまま封じ込めればよいとされている。土壌汚染の最大の問題は雨水による地下水浸透なので、それがなけばよしとしようという考え方だ。だから対策も、地表を舗装するとか、雨水が地下に進入しないような措置をとるかとかでOKとされる。
 
 この法律がどこまで役に立っている法律かは実際にはよくわからないところがある。
 むしろ、土壌汚染問題はこの土対法が問題になる領域以外の方がずっと多いような気がする。最近の裁判例でも廃棄物が混ざった土地についての損害賠償事件はかなり増えている。