2015.10.20 火曜日

豊橋発:中国の仲裁制度

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 第三者によって特定の当事者間の紛争を解決する旨の合意を仲裁契約という。裁判の場合は合意があろうがなかろうが強制的に解決するが、仲裁は特定の機関、人によって解決することを合意する。
 
 国際取引では各国の裁判制度に依拠して解決しても必ずしも最終的な解決にならないことがあることや、早期解決という点でも問題があることから仲裁制度が広く利用されている。
 
 例えば、中国企業相手に日本の裁判所で勝訴しても、中国国内で執行することはできない。逆もある。仲裁制度を利用する場合には「外国仲裁判断の証人及び執行に関する条約」(1958年、ニューヨーク条約)によって、仲裁判断が加盟国、国内で執行できるしくみがある。中国も加盟国なので仲裁判断を執行できるし(中国民事訴訟法257条)、日本においても執行が可能である。
 
 中国においては司法制度が十分ではない。法律も国と省、国務院の法令といろいろ分かれていて上下関係が明確でないことも多い。地元保護主義と言われる、政治的な圧力に屈することもある。それに比べれば中国の仲裁制度は比較的信頼感があると言われている。
 
 仲裁の具体的制度だが、どこの仲裁制度を選択するか契約によって決める。日本であれば日本商事仲裁協会などがある。シンガポールの仲裁機関を選ぶこともある。
 
 中国では仲裁法をもうけて制度を整備している。国内仲裁機関と渉外仲裁機関と2つに分けている。国際問題を扱う渉外仲裁機関については中国商工会議所が組織する「中国国際経済貿易仲裁委員会(China International Economic and Trade Arbitration Commission:CIETAC)」が扱う。これは北京にあるが、上海、深?に分室がある。
 
 
 仲裁合意は書面で行わなければならない。紙媒体に限らず、電子媒体であってもいいようだ。契約書には仲裁により解決するべき事項、仲裁機関を明記する必要がある。
 
 契約書ではどこの仲裁機関が利用できるかは大きな問題だ。私達としてはできるだけ日本の仲裁機関がいいということになるが相手にしてみれば中国の仲裁機関がいいということになる。そこで、最近では双方申し立てた相手の国の仲裁機関を利用するという条項を用いることが増えているようだ。
 
 また、仲裁判断の準拠する法律や言語なども重要な問題となる。