2015.12.01 火曜日

豊橋発:キャリアの形成

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 中小企業の場合、どの会社も自社内でキャリアを積んでいくプロセスに苦労している。人材が育ち、幹部ができあがっていくかどうかで会社の成長が決められていく。少なくとも伸びていこうという企業にとって人材成長のプロセス、つまりキャリアシステムの追求は必要不可欠だ。
 
 キャリア開発については教科書的にはエドガー・ヘンリー・シャイン(Edgar Henry Schein、1928年 – )の人間資源の計画と開発モデルがよく引き合いに出されている。彼はキャリア開発の主体として個人、組織と分けて考察し、双方の利益を調和させるプロセス明らかにしている。
 
 組織、とりわけ企業は明確な理念のもと限られた資源、とりわけ限られた人材をもとに戦略を作りあげていく。有名な組織は戦略に従うという言葉は言い得て妙だ。経営トップは組織の目的、組織の「夢」の実現のために誰をどこに配置するのか、その誰かが力を発揮するためにはどのような組織が相応しいか常に考えることになる。
 
 この場合、組織の長期的な発展を考慮した人のキャリアの開発戦略が必要だろう。企業にとって今を乗り切ることは何よりも大切だが、企業の未来を持続的に発展させることも必要なことだ。企業の未来を見据えて、今の人材を配置することになる。
 
 人は将棋の駒ではない。自分や家族の幸福、社会への貢献を主体的に考え、自分の人生を組み立てていく。人は自由だし、主体的だ。こうした個人の「選択」、仕事というプロセスへの「参加」といった主体的な行為が存在する。人は業務に参加し、経済的な糧を得、能力や思想、文化を身につけ自己を実現していく。本来、人は自分で自分を「開発」する存在でもある。自分のキャリアを意識し、キャリアを作りあげていく。
 
 こうして、人材の開発は組織の面、人の面それぞれに分けて考えることができる。組織自らのありようと、組織に所属する個人のありようが、どこかて調整され、統合されていって企業は動き、成長していく。それが、シャインのモデルの意味だ。
 
 ここで、私が重要だと思うのは、この組織と統合のプロセスは、けっして組織と社員との協議によってできあがるというようなものではなく、トップマネジメント(経営陣)によって決定される組織の行為ということだ。社員の側から見れば、組織は社員の成長に責任を負っていることになる。
 
 この個人と組織との関係に関するシャインのチャートはなんと言うことはない普通のことばかりだ。しかし、人の開発は常に総合的だ。何か一つの特効薬でできる訳ではない。結局のところ、平凡だが日常の一つ一つについて考え抜いて積み重ねていく他はない。ただ、平凡な一つ一つが実は分析することが難しかったりする。こうしたチャートを利用して分析的に進めていくことができる。
 

 
 
 
 
 

 

 

 

 人間資源の計画と開発(HRPD) 
 E.H.Schein(1978)”Career Dynamics”(エドガー H. シャイン著、二村敏子、三善勝代訳