2015.12.22 火曜日

豊橋発:非公開会社の株式譲渡

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 中小企業の大部分は株式の譲渡制限を設けている。本来株式はいつでも売り買いできるものだが、小さな会社の場合、変な人に事業に介入されはこまる。そこで、会社法は譲渡制限という制度を設けている(会社法107条1項1号)。
 
 中小企業の社長の場合、会社の定款などまじめに見たことがないだろうが、普通、譲渡制限条項がついている。株主は取締役会の承認無くして株式は譲渡できない。
 
 承認無くして勝手に打った場合、ややこしい話だが、法律上は会社には有効を主張できないが当事者間では有効ということになる。
 
 譲渡制限株式でも差押えは可能だ。競売することもできる。いつだったか、私の依頼者に対して、譲渡制限株式を差し押さえてきた事例があった。この時は危ないというので、事前に譲渡しておいたのでこの差押えは空振りになった。
 
 譲渡制限条項に反して譲渡されたような場合、ややこしくなるので会社法では会社が好ましい者に売ってもらうことができるよう、いろいろ手続きを定めている。
 
 ① 株主は譲渡の承認、もしくは第三の買い受け人を指定するよう請求する(会社法136条)。
 ② 会社が承認しない場合は、会社は自ら買い取るか、第三者を指定するかを決めることになる(会社法139条)。
 ③ 譲渡承認請求を受けても会社が何もしない場合には承認したものとみなされてしまう(会社法145条)。
 
 会社としては承認せず、自ら買い取るなどの措置をとることになった場合、株価をどうするかが問題だ。特別なにもしなければ、純資産を株式数で割った金額というところだろうか。国税庁の相続税財産評価基本通達が定める評価方式を利用することも多いように思う。
 
 争いがあるような場合には、裁判所で決めてもらう(会社法144条2項から4項、7項)。
 株式の価値の評価方法にはいろいろあって、①収益還元方式、②配当還元方式、③純資産方式、④類似業種比準価格方式などいろいろがあって、一応「ベストミックス」で判断する建前になっている。