2016.01.05 火曜日

豊橋発:交通事故 胸郭出口症候群の診断

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 胸郭出口症候群のような判断の難しい疾患を主張する場合、裁判ではその診断基準を示す必要がある。つまり、被害者が胸郭出口症候群であるというのであれば、診断基準を示してそれに当てはまることを主張、立証しなければならない。
 
 その点では、例えば、手術などして血管や神経の癒着像を示すことは有益ということになる。執刀した医師が手術所見として癒着像や瘢痕像があるとすれば、かなり有力な証拠となる。これは診断書やカルテ、意見書などを活用する。
 
 しかし、胸郭出口症候群の場合、必ずしも手術が有効な治療方法とはなり得ないので、いつも手術があるとは限らない。手術にともなう合併症があることを考えれば、手術に対して慎重にならざるえない。
 
 そうなると、別の手段ということになる。
 まず、臨床上の所見があることが当然必要となる。痛みの部位、痛みの性質、両側か片側か、めまいなどの随伴症状、症状の推移などを検討する。
 
 さらに、腕神経叢造影、血管造影などがある。教科書的には Tinel 兆候、90°外転外旋位症状誘発テストなどがある。こしたテストについては教科書を読めば一応書いていあるが、実際はどのようになっているか弁護士には分からない。この当たりは実際に臨床している医師に尋ねる必要がある。
 
 もっとも、胸郭出口症候群の場合、このように丁寧に診断しているケースはまれだと思う。むしろ、こうした丁寧な診断をしてほしいと要望することになるのだが、それに素直に応じてくれる医師もまれということになる。誰だって裁判にはまきこまれたくないからだ。そうなると、めんどうくさいのか、逆に胸郭出口症候群であることを否定してしまう場合もある。