2016.01.06 水曜日

豊橋発:退職勧奨

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 会社本来の立場からすれば、社員は生かしてナンボだ。社長のきまぐれで社員をクビにするなどということはあってはならない。しかし、世の中には困った社員に出会ってしまうこともある。その場合には手を尽くした上で解雇ということもあるだろう。
 
 退職勧奨というのは、使用者が労働者に対して自主的に退職するよう促すことを言う。あくまで自主的な退職を求めていくことなので、それに応じるかどうかは労働者側の自由だ。
 
 退職勧奨が成功するかどうかは、それまで会社がどれだけ準備したかに係っている。会社としてはいくつかの改善点を労働者側に示し、それが改善していない点を具体的に示すことになる。職場内でいかに批判が多いかも示すことになるだろう。顧客からのクレームの多さということもある。中には営業成績からみて余りにもひどいので、興信所に頼んで調べたところ、業務中頻繁に喫茶店に入って漫画を読んでいたというものもある。
 
 事実が整理されていれば、問題ある社員は観念して辞めていくことになる。しかし、ここで辞めないとなると、会社としては訴訟も辞さない覚悟が必要になってくる。
 
 ところで、退職勧奨はもちろん経営者側の自由に属することになるが、度が過ぎると退職の「強要」という言葉に変わる。どなりつけたり、机を叩いて脅かしたり、あるいは屈辱的な言葉を繰り返して名誉心を傷つけたりすることは許されない。頻繁に退職勧奨を繰り返すと場合によっては違法となる。自宅まで押しかけたり、両親を呼びつけて辞めさせるよう説得させるなども違法事由となりうる。
 
 退職勧奨を違法なものとして賠償責任を認めた事例としては次のものがある。
 全日空退職強要事件 大阪地裁H11.1018労判772号9頁
 下関商業高校事件 最1判S55.7.10労判345号20頁