2016.01.18 月曜日

豊橋発:交通事故 身体的特徴と素因減額

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 身体的特徴を理由に損害を否定したり、素因減額を主張してくることがある。
 もともと、被害を受けやすい体だから減額するべきだという主張だ。しかし、被害を受けやすい体の生活権を否定するかのような主張はどうかと思う。
 
 身体的特徴と素因減額との関係については最高裁で確定した判例がある(最高裁H8.10.29、判タ931号164頁)。
 これは首の長い人(頸椎不安定症)について、首の長いことをもって素因減額するべきかどうか争われた事例である。
 
 最高裁は首が長いだけで減額することはできないとした。
 
「被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合には、特段の事情の存しない限り、被害者の右身体的特徴を賠償の額を定めるにあたり斟酌することはできないと解すべきである。」
 
「けだし、人の体格ないし体質は、すべての人が均一同質なものということはできないものであり、極端な肥満など通常人の平均値から著しくかけ離れた身体的特徴を有する者が、転倒などにより重大な傷害を被りかねないことから日常生活において通常人に比べてより慎重な行動をとることが求められるような場合は格別、その程度に至らない身体的特徴は、個々人の個体差の範囲として当然にその存在が予定されているものというべきだからである。」