2013.08.05 月曜日

豊橋発:ジェイコム株誤発注事件

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 平成17年12月8日、午前9時27分56秒、みずほ証券株式会社担当者が「61万円で1株」の売り注文を出そうとしたところ、誤って「1円で61万株」売り注文を出してしまった。

 担当者とは別の担当者だが、午前9時29分21秒に取消注文を出したが、すぐに取消にならなかった。システム上、取消の注文を出していたが、本件売り注文が「買い注文と対当中であったため」取消待ちとなり、すぐに取り消されなかった。取引はどんどん進み、みずほ証券は午前9時27分56秒から午前9時37分17秒までのわずか10分の間に400億円の損害が生じた。

 担当者は自殺したくなるほどショックだったろう。
 みずほ証券は、取消指示がすぐに機能しなかったことについて、東京証券取引所相手に訴え提起した。その額、415億7892万4570円である。私もこんな裁判をやってみたい。ちなみに、かなり特殊な訴訟だったが、私のこれまでの勝訴の最高額は24億円だ。

 ともかく、東京地裁はこの裁判に対して、売買システムに欠陥があったとして原告の主張を一部認容し、107億1212万8508円の支払いを命じた。61万株というのは発行済み株式の42倍を超える。取引開始前まで1株61万円台だったのが、1株1円というのは明らかに異常だ。さらに、刻々と約定株式数が増えていく様も異常だ。

 異常な取引状態があるにもかかわらず対応できないのはシステム上の重大な欠陥だというのである(東京地裁H21.12.4判タ1322号149頁)。

 これは中小企業法務ではありませんね。