2016.04.11 月曜日

豊橋発:交通事故 RSDの意味

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 交通事故事件を多くやっていると、まれに反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)の事例に出会う。 ジストロフィーというのは栄養失調、栄養欠乏による組織,器官の縮退とされている。
 
 このRSDは必ずしも整形外科領域の疾患とは限らないため、整形外科医の場合、見落とすことが少なくない。RSDの極端な痛みに対して、あまりにも痛そうなので信じられず、ニセ扱いすることはまれではない。
 
 
1. RSDのメカニズム
 外傷などが生じた場合に「交感神経反射が生じて血管が収縮する。このことにより出血や浮腫を抑制する。そして、外傷の治癒過程に従い交感神経反射は消失し、組織修復に必要な血液供給が回復してくる。しかし、RSDでは交感神経反射が継続し、持続する血管収縮により循環不全を起こす。」
 
 【正常なメカニズム】
 外傷→ 交感神経反射 → 血管収縮 → 治癒 → 反射の消失
 
 【RSD】 治癒 → 反射の持続・悪化 → 酸素、栄養不足 → RSDの悪化・持続
 
 こうして、反射の異常が組織の酸素、栄養を不足させ組織の障害を促進させる。異常反射から来る諸症状もさらに悪化させ、負の循環が生じることになる。
 
2. RSDの定義
 本来交感神経の異常であれば、交感神経をブロック(遮断)すれば治癒することになる。しかし、現実には痛みを回復できない症例も生じてきたため、交感神経の異常反射だけでは説明できないとされてきた。そこで、国際疼痛学会(IASP)は定義を見直し、CRPS(Complex Regional Pain Syndrome:複合性局所疼痛症候群)という用語で統一した。
 
 神経を損傷しないタイプのCRPSをⅠ型とし、従来のRSDはここに組み入れられることになった。重要なのは交感神経性の疾患であるという点だ。RSDの定義は見直されたが、交感神経性異常の疾患に対してはRSDと呼ぶ例も多い。
 
 なお、神経を損傷するタイプをⅡ型とよんでいる。交通事故ではⅠ型、Ⅱ型いずれも問題になるが、私の経験ではⅠ型が多いように思う。