2016.04.20 水曜日

豊橋発:交通事故 脳脊髄液減少症勝訴事例分析

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 脳脊髄液減少症の勝訴事例を紹介した → http://blogs.yahoo.co.jp/kotujiko_nagoya/8188219.htm
 けっこう重要なのでもう少し検討しようと思う。
 
 この事件は厚生労働省研究班の中間報告を基準に脳脊髄液減少症と判断した。これは脳脊髄液減少症と確定的に判断できないが、後遺症として神経症状が残っていると判示した事例だ。
 
 この確からしさについて判決は
 
例えば「起立性頭痛」についてこう述べている。
「原告は、東日本循環器病院及び海老名メディカルプラザにおいて、頭痛を訴えた時と訴えなかった時があり、・・・北里病院において、原告は起立性頭痛あると診断されているものの、その診療録には、臥位でも頭痛は軽減しない旨の記載などもあり、原告の頭痛が起立性頭痛であるかどうかは、必ずしも明確でない点がある。」
 
「脳脊髄液漏出像について」は「・・・RI検査における脊髄腔穿刺の時にできた針穴(穿刺部)から漏れている可能性があることが認められる。・・・本件における腰椎部付近におけるRI集積を示す画像は、直ちには、脳脊髄液の漏出を示すものとは認められないものの、参考所見とはなるということができる。」
 
こうして、基準ごとに検討するのであるが、判決文を読んでいると勝訴と言ってもけっこう微妙な事例であることが分かる。おそらく、この事件では、病気をかかえなければありえない様々なエピソードを裁判所が信じて、重い神経症状があると確信したのだろうと思う。そして、判断のための各基準について白ではない、灰色だと考えたこと、ブラッドパッチに効果があったことから原告勝訴になったものと思われる。
 
これらの事実認定からは、不定愁訴を被告が決めつけてきても、裁判所は原告の言い分を信じてくれ例があるという教訓は引き出せる。