2016.05.12 木曜日

豊橋発:「徳」

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 中国語を勉強しているせいか、「史記」とか「論語」とか中国の古典が気になる。こういうものを読むたびに、中国の思想は基本的に4000年ぐらいにできあがったんだとつくづく思う。
 
 史記には神の時代から始まり、黄帝・堯・舜などの聖人が描かれている。解説書によると、史記の理想は徳による政治で、黄帝、堯、舜は模範的な徳の政治を実施した者として描かれている。
 
 孔子も「徳」を説き、論語でも繰り返し繰り返し説いている。日本でも「徳」という言葉は広く伝わっている。私の友人でも武徳とか、徳子とか「徳」の字を使った名前は普通にある。この「徳」というのは何だろうと思う。
 
 聖人「舜」の家には継母が来て、家族全部は「舜」を陥れようとしていた。何度も殺されそうになり、そのたびに慎重深い機知で乗り越えてきた。その後、先代の帝王である堯の目にとまり、いろいろ試され、ついには帝王の跡継ぎとなっていった。
 
 舜が歴山に派遣され、農耕を始めるや「歴山の人みな畦を譲る。」つまり、田の協会である畦を譲るようになり争いごとは無くなり、国が栄えたというのだ。河浜という土地で陶器を作り出したら、みな不良品を出さなくなったという。それも全て舜に備わった徳のおかげだ。
 
 この「徳」というのは実に大きな威力を持っていて、舜が帝王の地位につくと、それまでの人事を一新し、天下はますます盛んになっていく。
 
 この当たりになると「徳」という言葉も単なる「よい人」というだけでは済まなくなる。人材登用の妙を心得、家臣たちが善政を敷くことになる。それが「徳」だ。
 
 徳のあるなしの基準は単に、畦を譲るようになり争いを避けるという倫理的な感化をするにとどまらない。人材を得て適切に配置できるという能力も必要になってくる。
 
 また、人々が栄え、豊になることが含まれている。歴を治め、河川の氾濫を押さえ、農業技術を進歩させ、商売も盛んにする能力も「徳」に入っている。こうした実益も全て「徳」を量る基準となる。
 
 更に「徳」が高まると、諸侯はこれになびく。舜だって「四海」を制覇している。中国で最も尊敬されている帝である黄帝も、その前の支配者である神農氏を征伐しているし、武力を持って諸侯を制圧している。ここでも「徳」は単純にいい人ということではない。
 
 黄帝は「徳を修め兵を整え、・・・・・もって、炎帝と阪泉の野に戦う。」、武力も「徳」のうちということになる。
 
 徳には武力を背景とした強い統制力の意味も込められている。
 
 どうだろう、社長の「徳」というのも考えてみては?